今日は私、メロレアが今超絶ハマってるお話を紹介するよ!作者は尊敬する大好きなたれつゆ先生!
みんなも読んでみてね!


「僕の大魔王第一章、世界に光が差した日」

世界は闇に包まれていた。絶望が大地を覆い、希望の光は失われていた。その元凶、大魔王ヴァルキリオンが君臨する漆黒の城に、今一筋の光が向かっていた。
ルカは、剣を強く握りしめた。その小さな手に宿るは、世界を救うという大いなる使命。だが、目の前にそびえる大魔王城の威容に、心臓が凍りつきそうになるのを必死に堪えていた。
雷鳴が轟き、空は一瞬にして暗黒の雲に覆われ、禍々しいオーラを放つ大魔王城の扉が目の前でゆっくりと開く。
決意したルカは静かにため息を吐き、神聖なる天使のオーラを一層強めて大魔王城の中へと消えていった。

「ふっ、ここまでたどり着くとは大した天使だな。」
城の最深部で大魔王は天使が向かってくる足音を静かに見届けている。しかしその瞳はひどく冷徹で何も見えてないかのように黒く染め上げられている。
「しかし、お前の命もここまでだ。」
天使をにらみつけるその瞳は全てを一瞬で凍てつかせるほど、恐ろしく絶望の闇に飲み込まれていた。

「大魔王ヴァルキリオン!!お前はここで絶命する!!僕の手で世界に光を取り戻すんだ!!」
ルカの剣が光り、天使の羽が舞い降りる。ルカは大魔王を見据え、剣を振りかざす。
「そんな戯言を言えるのは今だけだ…!!」
大魔王もルカを捉え、大鎌を振りかざそうとしたそのとき

きゅん…

(え?何この子?めちゃくちゃ可愛いんですけど?え?)

「よそ見をするとは、なめられたものだな。これをくらえーーーー!!」
ルカは隙をついて、魔法攻撃ルミナスサンシャインを大魔王に放つ!!


(お目目くりくりで、え?ナニコレ?可愛すぎんか?ルミナスサンシャインがより可愛さを引き出してるだろーーー!!)

にやけた表情をさっと取り繕い、大魔王の威厳を瞬時に出す。
「ふっ、そんな攻撃、私には効かんぞ。お前の力はそんなものか。それでよくも世界を救うなどと言えたものだ」
大魔王は声高らかに恍惚な表情を浮かべながら天使に向かって叫ぶ。
「くそっ…。なんて強いんだ…これが、大魔王の闇の力…この強大な力の前に僕の力は太刀打ちできないというのか…。」


(弱ってる、天使くんかわよーーー!え?てかもう体力ないの?これでおしまいなの?こっちから攻撃してないんだけど?!)
「あと一撃でも私の攻撃を受ければお前は死ぬ。そして世界は闇に包まれ永遠に絶望の嘆きが轟くことになるぞ。」
「くっ…そんなことは絶対にさせない…!!こんなところで倒れるわけには…!!」
「ふははははは、使命感だけは大層ご立派なことだな。」
呼吸も荒く苦しそうに顔を歪ませているめちゃくちゃタイプの天使がそこにいる。
(くううううう、そんな苦しそうな顔すんなよ!!でも、そんな顔もめちゃくちゃ可愛いじゃないか!!もう助けてやりたい!!そんな顔はこの戦いで見るもんじゃない!!あ、そうだ。もしかしたら、お願い聞いてくれるかも。)


ゆっくりと一歩ずつ近づき、足元に倒れこんでいる天使を見下ろす。
「お前に取引を命じる。」
「取引…だと?」
天使がゆっくりと顔を上げて、苦しそうな表情を見せた。
「そうだ、取引だ。世界を救いたいんだろう?」
大魔王はにまにまが止まらない。
「どんな、取引だ。言ってみろ。」
これはもう決まりだと確信した大魔王はニヤリと笑う。
「…お前がこの大魔王城で私に仕えるというのならば、世界を滅ぼすのをやめてやってもいい。」
「なん…だと…」
大魔王は涼やかな瞳で続ける。
「お前自身を引き換えに世界が救えるのだ。それはお前の本望ではないのか?」
天使は意表を突かれた。しかし戸惑いも隠せない。
「しかし、僕は天使だ。天使が大魔王に仕えるなど…」
「ほう、ならば世界を今すぐ滅ぼしてやろう。」

ルカがハッとし、慌てて言葉を紡ぐ。
「待ってくれ!わかった、大魔王に仕えると誓う。だから、世界を闇に包むのはもうやめてくれ!」

「ふっはっはっはっはっはっはっは!!物分かりのいい天使でなによりだ。これで世界も救われたも同然。」
(可愛い可愛い天使ちゃんゲットーーー!!)

「ならば、今からお前の部屋を用意する。こっちへ来い。」

ゆっくりと立ち上がり恐る恐る大魔王のそばに寄るルカ。その目は生気が失われていた。しかし垣間見えた大魔王の横顔はなぜか嬉しそうな笑みが見え隠れする。
(これから、僕はどうなってしまうんだろう。僕の命と引き換えに世界が救われる。そのことに後悔はない。だが、仕えると言っても何をしたらいいんだ。殺すつもりはないのか?それとも…いや、世界が平和になるんだ。自分のことはもういい。どうか、皆の魂が救われますように。)

ルカの不安をよそにこれから大魔王の溺愛が始まることは、まだ知る由もなかった。

投稿者 たれつゆのTOYBOXまにあ

オータクル国に住む、オタクです。愛と救済をテーマに小説を書いてます。 オタ活、推し活を気兼ねなく思う存分楽しみたいのに、なかなか難しい環境なので、無い知恵を絞りだしてなんとかかんとか。 ゲームと編み物を愛しすぎて中毒症状出てます!大好き!

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