今日も今日とて、物語の執筆を頑張っております、メロレアでございます。
愛と救済をテーマに書いているけれど、だからといって全編光の話だけを書くわけでもなく、やっぱり闇があるからこそ、光が存在するわけでして。
だから、今は光を強くするために濃くて深い闇部分を書いているのです。
でも!でも!!私が生み出したキャラクターが不幸になるのは嫌ーーーー!!!!
この場面を書き進めるのが辛すぎて辛すぎて、全然筆が進まない。
ノアにも「もうみんなハッピーで良くない?そのほうが幸せじゃない!どうして一回不幸にしなきゃいけないの?!ずっと永遠に幸せなほうがいいに決まってる!!」って言ったら、冷静に
「お嬢様、そのお気持ちは痛いほどわかります。ご自身で生み出されたキャラクターが辛い思いをするのは苦しいです。ですが、苦しい思いがあるからこそ、その後の展開に光が当たったときに、より幸福を感じられるのではありませんか。人生もそういうものだとわたくしは思います。ですから、物語がより深みを持ち、読者の方が共感できる話となるならば、必要な要素であると思います。」
わかってる!わかってるわよーーー!!ノアの分析力にはぐうの音も出ない。
でも私も感情移入しまくりで辛いんだってばーーーー
だから、私は気分転換をしたい!そっとノアのほうをちらりと横目で見る。
今ここで、伸びなんかしたらノアが「お嬢様、休憩になさいますか?」と声をかけてくるから、絶対に休憩したいなーなんて素振りを見せてはいけない。
それに、執筆から2時間経つと自然にノアが「お嬢様、そろそろ休憩にしましょう。」と声をかけてくるので、執筆から2時間後というタイミングはデッド!!
今は前回の休憩から1時間経ったくらいだから、脳内オタ活するにはベストタイミング!!
ノアも書類確認に忙しそうだし、今なら目を盗んで思う存分楽しい時間を作り出せるかも。
ふふふふふふふ、あー昨日読んだ『王冠に捧げたる剣』めっちゃ良かったなあ。なんたって、若き王様と騎士団長が国を守るために魔物と戦う中で今までに感じたことのない感情を持ってしまうというファンタジーBL!!しかもだよ?!読んでたらさ、ずっと王様が攻めで騎士団長が受けだと思うじゃん?!なのに、ラスボス戦前夜のあのたき火での会話!!どうみても騎士団長が攻めで王様が受けになってたじゃん!!こういう下剋上大好物過ぎて、マジでよだれ止まんなかった…はあ、いいなあ、いいなあ、私もあんな話書きたい…よく考えたらタイトルにそれにじみ出てない?!王冠に捧げたる剣って、めっちゃ騎士団長の支配欲を表してるじゃない!!ぬああああ、実はここに秀逸なネタバレあったの?!全然気づかなかったあ。ラスボス前の二人の盛り上がり…やべえ、ちゃんと次の日討伐できんのか?ってくらい濃密すぎたやん。ああああ、もう最高最高最高!!でへへへへへへ…
「お嬢様…お嬢様…!!」
ハッと我に返る
「お嬢様、大丈夫でしょうか。意識がどこかに飛んでいるような、心ここに非ずのようなお顔をされていましたので、心配になり声をかけさせていただきました。」
「う、え?!あ、大丈夫、大丈夫よ!えっと、物語の続きを真剣に考えていただけ。」
「さようでございましたか。お嬢様の大切な創作を邪魔してしまい申し訳ございませんでした。引き続き、思う存分心ゆくまで創作活動をお楽しみになってくださいませ。」
………あっぶなーーーーー、え?ええ?ノア、書類確認に忙しかったよね?!え?なんで?私そんな顔してた?!だって脳内で繰り広げてるだけで、声にだって出してないのに!!
ノアがこの部屋にいる限り、脳内オタ活さえも難しいっていうのー!?
ノアってなんでそんなに鋭いのかしら…ううう、もう今日の分をしっかり書き終えて、一人時間に思う存分オタ活を楽しむしかないかあ。
悶々とした思いを抱えながら、私はノアのほうをこっそりと見る。ノアは私の視線に気づき、にっこりと微笑み返した。

